最近は僕のブログを女性も多く読んでいて評価してくれているようなので、恋愛映画についての話をしようと思います。これは、僕がドイツ人家庭にホームステイをしていて、家族と恋愛映画について話をした時のエピソードです。
ドイツを始めとして欧米ではオードリー・ヘップバーンのような清楚系の女優は人気がなくて、マリリン・モンローのような金髪でセクシーでヌード写真集を出したことのある女性が人気がある。
僕「ドイツで人気のある女優はどういう人ですか?日本で人気がある欧米の女優はオードリー・ヘップバーンがダントツで、『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』とかが人気あるんです。日本では清楚系の女性が人気があるので」
主人「ドイツで人気がある女優はドイツ人ならナスターシャ・キンスキー、マレーネ・ディートリッヒ、オーストリア人ならロミー・シュナイダーだね。オードリーは人気がない。アメリカの女優ならやはりマリリン・モンロー、マドンナとかセクシー系の女優が人気がある」
奥さん「私はオードリーは嫌いです。ウチの長男のJみたいなヘビースモーカーで、タバコが嫌いな私はオードリーは大嫌いです。それに、私生活のオードリーは清楚ではありません。オードリーは映画で清楚な女性を演じていただけです。日本で清楚で大人しい女性が人気なのは、女の地位が低いから女は黙って男に尽くすような人が便利で理想だという、男からのわがままな要求でしょ?ヨーロッパの女でそんな便利な女はいませんよ。ヨーロッパの女は解放されているから、やりたいことをやりますよ。肌も大胆に露出するし、自分をできるだけセクシーに見せようとします。これは、何歳になっても変わりません」
こう言って奥さんは笑っていた。
オードリーがドイツで人気がないのはオードリーの人生に詳しい人ならわかると思うが、彼女は戦争中はオランダのアルンヘムの町に住んでおり、「マーケット・ガーデン作戦」が1944年9月に行われた時に、対ドイツ軍のレジスタンス活動に参加していたからである。オードリーがヘビースモーカーになったのも、この時に英第1空挺師団の兵隊から貰ったタバコを吸って、その時の解放感が忘れられなくなったのが原因だと言われている。「遠すぎた橋」の映画の撮影が決まった時に、オードリーにぜひこの映画に出てほしいと監督のリチャード・アッテンボローは頼んだが、オードリーは嫌な思い出なので断ったという。
写真上はオードリー・ヘップバーン。オードリーは映画でヌードになったことがなくてベッドシーンもないが、ドイツ語圏で人気のあるロミー・シュナイダーは何本かの映画でヌードになっており、過激なベッドシーンで話題になったこともある。ドイツでは男女の間でロミーのような女優の方が人気がある。
でも、最近は日本の女優も濡れ場、ヌード写真集を出す人が増えてるので、スタイルのいいセクシーな女優も増えており、ヌードになった女優=汚れた女性というイメージは崩れつつある。
ドイツ人家庭で洋画の女優について話をした以外にも、僕が英会話教室に通っていた時にアメリカ人の先生と女優について話をしたことがあった。
僕「日本ではオードリー・ヘップバーンと彼女の作品が人気がある」
先生「日本ではみんなが、『オードリーが好きだ』というな。アメリカではマリリン・モンローのような金髪で胸がでかいセクシーな女優が圧倒的に人気があるのに、なんで、日本ではオードリーが人気なんだ?理解できない」
「日本ではモンロー、ブリジット・バルドーのような金髪で胸がでかくてセクシーすぎる女優はあまり人気がないんだよ。それに、西洋の女性みたいにやたらと女性が胸の谷間とか肌を露出するのも、日本では良く思われない。日本人は清楚で優しいイメージの女優を好みますから」
「やはり、日本の女優で人気があるのは、日本映画に出てくる着物、浴衣を着て似合うような女優なのか?」
「そうだね。あまり、モンロー、バルドーみたいな金髪で胸が大きくてセクシーすぎる女性は、日本の男にとってはセックスアピールが強すぎるのであまり人気がない。やはり、伝統的に着物、浴衣を着るのが似合うような女優が人気がある」
アメリカ人の英語の先生とこういう会話をしたが、彼は首を笑いながら首をひねっていた。
写真上は吉永小百合。やはり、日本では伝統的に彼女のように清楚で優しいイメージで和服が似合う女優が人気があった。しかし、最近は日本でも多くの女優がベッドシーン(濡れ場)を演じて、多くのグラビアアイドルが過激な写真集を出してるので、ヌードになった女優とグラビアアイドル=汚れた女というイメージは消えつつある。
日本では「小さな恋のメロディ」という中学生の初恋を描いたイギリス映画がかつて大ヒットしたが、この映画は欧米では全くヒットせず、イギリス人でもこの映画を知らない人が多い。
あと、このアメリカ人の先生と他のアメリカ人ともアメリカで人気のある恋愛映画について話をしたことがあるが、アメリカではオードリーが出演していた映画「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」などは人気がなくて、一方でモンローが主演の映画「7年目の浮気」「お熱いのがお好き」などが人気がある。さらに、日本ではイギリス映画で中学生の初恋を描いた「小さな恋のメロディ」がすごく人気があるが、欧米ではこういう初恋を描いた恋愛映画は全く人気がない。イギリス人とも話をしたことがあるが、「小さな恋のメロディ」を知っている人はほとんどおらず、イギリスではこの映画は全くヒットしなかったので、主演の男子生徒役のマーク・レスターと女子生徒役のトレイシー・ハイドは売れなかったので、数年後には俳優業をやめたという。
これは、欧米全体に言えることで、欧米では人気のある恋愛映画というとマリリン・モンロー、ブリジット・バルドー、ソフィア・ローレンのようなセクシーな女優が胸の谷間を見せるような衣装を着て出演する映画か、「ラストタンゴ・イン・パリ」のような過激な性交シーンがある映画のようだ。最近はベッドシーン、女優のヌードがないような恋愛映画は欧米ではヒットしない。これは、欧米の女性たちも女性のエロスを大胆に描いた恋愛映画、ラブコメディを好む傾向があり、「恥の文化」の国の日本とでは大きな違いである。
写真は1990年代後半からドイツですごく人気のあるスーパーモデルのクラウディア・シファーだが、このモデルが来日した時は日本の男性には全く人気が出なかった。日本と欧米の美人のイメージの違いをよく表している。
話をドイツ人家庭にホームステイした時に戻すが、僕がH家にホームステイした当時は、ドイツではスーパーモデルのクラウディア・シファーすごく人気があって、年収2億ぐらい稼いでいた。それで、彼女は前年に日本に来日して、海外のモデルエージェントは「すごくセクシーで美人なドイツ人のスーパーモデル」と来日前に宣伝したのだが、日本人の男にはあまり人気がなかった。ダウンタウンの松本はトークの中で、「あんな金髪女、パーティの3次会でも呼ばない」と言って切り捨てていた。僕も彼女は美人だとは思わない。
それでH家の人たちに、
「クラウディア・シファーとあなたの家の21歳の娘さんだったら、多くの日本人は娘さんの方を選ぶでしょうね。同じように金髪だけど、W(娘さんの名前のイニシャル)の方が顔が日本人男性の好みです。シファーはなんというか、『私は美人でしょう?セクシーでしょう?男を誘惑するでしょう』という性的なアピールが強すぎるんですよ。それに、あまり家庭的でないですね」
と僕が言ったら主人と奥さんは、
「確かにウチの娘は美人で優秀だが、クラウディア・シファーよりも美人と言われるとは思っていなかったよ」
と言って笑っていた。