Deutschland-Lab

Deutschland-Lab

歴史や文化、スポーツなどドイツに関する情報まとめサイト

ロシア政府が「ヒトラーにはユダヤの血が流れていた」と発言した

 

 

 

ロシア政府が「ヒトラーにはユダヤ人の血が流れていた」という奇妙な発言をしたが、これはゼレンスキー大統領がユダヤ系であることと、キリスト教国家が戦争が上手く行かなくなるとユダヤ人のせいにするのはよくあること。

 

 

ロシアのラザロフ外務大臣が「ヒトラーにはユダヤ系の血が入っいた。つまり、ナチスユダヤ系であり、ウクライナのゼレンスキー大統領もユダヤ系なので、今、ロシアがウクライナと戦っているのはユダヤ系ナチズムからウクライナ人を守るという目的がある」と発言をした。しかし、ヒトラーユダヤ系の血が入っているという事実は多くの歴史専門家が否定しているので、ウクライナ戦争で苦戦しているロシア政府が思い付きでこじつけた出まかせだろう。ゼレンスキー大統領がユダヤ系だから、なんとかロシアのウクライナ戦争を正当化したいという嘘である。恐らく、ユダヤ人系財閥にロシア軍の戦費調達をお願いしたが、それが拒否されたのでこのようにユダヤ系の攻撃を始めたと思われる。第一次大戦の時もドイツ皇帝はユダヤ系財閥を敵に回したので戦争に負けた。皇帝とドイツ帝国に忠誠を誓っていたヒトラーは、「戦争に負けたのはユダヤ人系財閥のせいだ」と戦後に演説すると、ドイツ国民はその演説を支持した。つまり、ヨーロッパのキリスト教国家が戦争が上手く行かなくなると、いつもユダヤ人とユダヤ財閥のせいにするのである。(苦笑)

 

 

しかし、ロシアはとんでもない基本的な勘違いをしており、ロシア革命を指導したレーニンユダヤ人であり、革命の資金援助をしたのはユダヤ系財閥である。ユダヤ系のお陰でロシア革命は成功してソヴィエト連邦は成立した。

 

 

しかし、プーチンとロシア政府はとんでもない勘違いをしている。なぜなら、ロシア革命を指導したレーニントロツキーなどの政治家はユダヤ人であり、ロシア革命を助けたのもユダヤ系財閥なのである。上の写真は1917年のロシア革命100周年記念の時の様子であり、プーチンイスラエル人のユダヤ人ラビ(高僧)にロシア革命成功を感謝する会見を行っており、「ユダヤ人のレーニンユダヤ系財閥のお陰でロマノフ王朝を倒して、人民の共和国である偉大なソヴィエト連邦が建国された」という言葉を述べている。そして、ロシア革命の後にはユダヤ人であるレーニンを建国の父とするソヴィエト連邦が建国されて、キリスト教徒からユダヤ教徒への差別は禁止されて、伝統的なソ連国内のキリスト教会は否定されてキリスト教の聖職者は職を失った。

 

 

ナチスドイツはユダヤ的思想である共産主義からソ連人を解放するために東部戦線で戦っており、キリスト教ナチスドイツ軍対共産主義ソ連軍の戦いであったのは第二次大戦の常識である。

 

 

だいたい、ヒトラーナチスドイツはキリスト教徒側であり、ヒトラーナチス党は「共産主義ユダヤ人のマルクスレーニンが考え付いた悪魔的思想であり、ソ連ユダヤ人の共産主義によって毒されている。だから、ナチスドイツはユダヤ人の共産主義からソ連人を解放するためにソ連を攻撃する」と言って、1941年6月末にバルバロッサ作戦を発動して、ソ連に侵攻したのである。だから、ドイツ軍が東部戦線で快進撃をしていた頃は一部のウクライナ人とロシア人はドイツ軍を歓迎した。しかし、ナチスドイツの政策でロシア人ウクライナ人を奴隷にするという政策もあったので、ロシア人ウクライナ人はナチスドイツにも虐待された。結局、これがナチスドイツが第二次大戦に負けた原因の一つである。

 

ロシア政府はウクライナ戦争で予想外の苦戦を強いられているので、「ヒトラーユダヤ系の血が流れていた」などという滑稽なことまで言って、なんとか世界の世論を味方につけようとしている。でも、基本的な知識としては、ロシア革命ユダヤ系が主体となってロマノフ王朝を倒してソヴィエト連邦を建国した。共産主義キリスト教などの宗教を否定するユダヤ的思想なので、それを破壊するべくキリスト教国家のナチスドイツはソ連を攻撃した。この事実は現代史を勉強した人なら誰でも知ってる事実である。こんな基礎的な事実までロシア政府は無視している。

 

 

ロシア政府がユダヤ人をバカにしたことを公に発言する理由の一つは、アウシュヴィッツなどの多くの絶滅収容所ソ連軍が解放したという事実がある。「ソ連軍がナチスドイツのホロコーストを止めさせたから、ソ連軍は正義の軍隊だ」という思い上がりがある。

 

 

ロシア政府がこのようにユダヤ人をバカにするようなふざけたことを発言したのには、いくつかの理由が考えられる。それは、アウシュヴィッツ、トレブリンカなどのナチスドイツの絶滅収容所ポーランドチェコなどのヨーロッパ東部にあり、ほとんどが第二次大戦末期にソ連軍によって解放されたのである。悪名高いアウシュヴィッツ絶滅収容所は、1945年1月26日にソ連軍が解放している。西側連合軍である米英軍が解放したのはベルゲンベルゼン、ダッハウなどの数少ない強制収容所である。だから、スターリンが率いていたソ連軍はアウシュヴィッツなどの絶滅収容所を解放した後に、「ヒトラーナチスドイツは絶滅収容所でかくも悪いことをしていた。これらの収容所を解放したソ連軍は正義の軍隊である」などと宣伝したのだった。ホロコーストが行われていた絶滅収容所ソ連軍が解放したのは事実だから、ユダヤ人もソ連を受け継いだロシア政府にはあまり強い非難ができないようだ。また、ユダヤ人がロシア革命を起こしたのも事実だから、ロシア政府もユダヤ人国家であるイスラエル政府とは仲良くしたい。こういうロシアとユダヤ人の微妙な関係から、「ヒトラーユダヤ系だった」というロシア政府の奇妙な発言が出たと思われる。