Deutschland-Lab

Deutschland-Lab

歴史や文化、スポーツなどドイツに関する情報まとめサイト

なぜ、昭和時代は鉄道会社が球団経営の主流だったのか?

写真は阪急ブレーブスの本拠地だった西宮球場。僕は父が銀行の大阪支店勤務だった時に、この球場のすぐ近くに住んでいた。銀行が建てた社宅アパートに住んでいたが、アパートのベランダから球場が見えた。

 

最近はプロ野球が開幕して、プロ野球メジャーリーグが盛り上がってるようなので、プロ野球に関する記事を書きます。

 

 

昭和時代にプロ野球チームを経営する親会社は鉄道会社が多かったのは、鉄道会社は土地をたくさん持っているし、主要駅の近くに球場を作って特別電車を走らせれば球団経営が出来たから。鉄道会社は球団経営に向いていた。

 

 

今ではもう覚えてる人は少ないかもしれませんが、40代以上の人ならかつて関西地区には私鉄がオーナーのプロ野球チームが4つもあったことを覚えてると思う。パリーグの阪急、南海、近鉄、そしてセリーグ阪神である。関東地方にも今でも西武ライオンズがある。その前に身売りをしたが、国鉄スワローズ西鉄ライオンズもあった。なぜ、鉄道会社がプロ野球チームのオーナーになることが多かったのだろうか?

 

これに関しては2004年に大阪近鉄バファローズが消滅した時に、南海ホークスの選手兼監督だった故野村克也氏が、「鉄道会社はプロ野球チーム経営がやりやすい会社だった」と述べていた。まず、鉄道会社は主要駅の周りに土地を持っているから、主要駅の近くに球場を建てて、特別電車を始発駅から走らせればいくらでもファンを運ぶことができる。次に広告費用についても、電車の中、駅の構内などに試合がある日の日程の広告をすれば、広告費もあまりかからずに済む。また、西武、阪急グループはデパート、スーパーの経営もしていたから、そこにも広告を出すことができる。つまり、鉄道会社はプロ野球球団経営にとても向いてる業種なのである。

 

 

プロ野球球団経営は大金がかかるので、景気が良い業種がやることが多く、昭和40年代は映画会社が、そして今はIT業界が球団経営をしている。

 

 

だが、プロ野球球団経営はものすごくお金がかかるから、その時に一番勢いがある業種がすることが多い。昭和40年代までは映画が大衆にすごく人気のある娯楽だったから、松竹、東映といった映画会社が球団経営をしたこともあった。映画会社も映画館で映画上映の合間に球団の宣伝映像を流したり、映画館で球団の広告をすればいいのだから、広告費はあまりかからなかった。

 

そして、今、球団経営に向いてる業種はIT業界である。楽天DeNAソフトバンクというふうに、インターネット上に球団のニュース、宣伝を流すことができるから、こちらも広告費があまりかからなくて済む。また、球団のファンクラブ入会、観戦チケットの売買もネットで出来るから、あまり費用がかからない。このように、プロ野球チーム、プロサッカーチームの経営というのは、その時に最も儲かってる業種がする傾向がある。

 

 

一方でサッカーのJリーグは、プロ野球のように一つの親会社だけが経営してスポンサー名を出すことを禁止しているので、ベガルタ仙台のように持ち株会社を作って、そこに多くの会社が投資するチームもある。

 

しかし、サッカーのJリーグは「プロ野球経営、特に読売巨人のように一つの会社だけが全ての儲けを取ってしまう経営はなしにしよう」という理念で作られてるから、僕の住む仙台にあるベガルタ仙台は球団経営をする持ち株会社を作って、特に仙台、東北にある会社が投資してベガルタ仙台の経営をするというシステムになってる。そして、Jリーグは将来的にはトヨタ自動車名古屋グランパス三菱自動車浦和レッズというイメージは失くす方向でサッカークラブ経営を進めている。