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阪神は日本一になったが、果たして阪神黄金時代になるのか?

阪神、38年ぶりの日本一! 1985年は“劣勢の下馬評”をひっくり返す…川上哲治、星野仙一は「4勝2敗」で西武有利と予想(デイリー新潮) -  Yahoo!ニュース

 

阪神タイガースが1985年以来の38年ぶりの日本一になったということで、関西地方は大いに盛り上がってると思う。阪神タイガースと阪神ファンのみなさん、2度目の日本一本当におめでとう!

 

 

38年の1985年に阪神タイガースは日本一になった。しかし、当時はまだそんなに資金力がなかった親会社の阪神電鉄は日本一になったことで選手の年俸がすごく高騰してしまい、フロントと選手との間に対立が起こった。2年後の1987年にはチームは最下位に沈み、そこから長い阪神の暗黒時代に入ってしまった。

 

 

しかし、思い出してもらいたいのは、阪神タイガースは1985年に日本一になった後に、たった2年後の1987年には一度も首位争いをすることなく、最下位に沈んでしまったという事実だ。1988年の開幕の時はまだ真弓、バース、掛布、岡田がスタメンにいたのだが、シーズン途中でバースはクビになってアメリカに帰ってしまい、掛布はこのシーズンは絶不調でシーズンが終わった後にまだ34歳の若さで引退してしまった。

 

そして、1989年からは主力が2人も抜けてしまったので、たまに1992年のようにオマリー、亀山、新庄が活躍して優勝争いをしたシーズンを除くと、2002年に星野監督が就任するまで長い暗黒時代に入ってしまった。この暗黒時代ではシーズン前の解説者の予想では、ほとんどの解説者が「阪神と横浜大洋が最下位争いなのは間違いないでしょう」と断言するほど、阪神は弱かった。そして、予想通り一度も首位争いをすることなく、5位か6位でシーズンを終えた。

 

このように阪神タイガースがたったの2年間で天国から地獄に落ちてしまった原因は、やはり日本一になったことで選手の年俸がものすごく高騰したからである。バースは1985年シーズンで既に年俸は2億円を超えており、掛布も1億円以上だった。当然、日本一になったというとその貢献度の高さから、主力の真弓、バース、掛布、岡田の翌年の年俸は倍近くに高騰するから、資金力が大手マスコミの読売新聞が親会社の巨人の半分以下しかない阪神電鉄では、とてもそんなに高額の年俸は払えるわけがない。それで、阪神タイガースは日本一になったシーズンオフから年俸アップ希望する選手と、年俸を抑えたい球団のフロントとの対立があって、だんだんとチーム崩壊が始まっていたのである。

 

このように優勝あるいは日本一になった年は、シーズンオフの選手の契約更改は荒れることが当然であり、当然、日本一に貢献した選手は年俸を倍以上にアップしてもらいたいし、球団の方はなるべく選手の年俸を安く抑えて球団経営をしたいので、優勝、日本一になった翌年というのは、プロ野球チームは急にチームのスタメンなどが変わっていることがある。これについて、かつて近鉄バファローズの選手だった金村は、「近鉄バファローズでは、毎年、シーズ開始前にオーナーが、『優勝争いをしろ。でも、本当に優勝したらダメだ。選手の年俸が払えなくなるから』と言っていた」と、テレビで述べている。(苦笑)

 

 

連続して日本一になれる球団というのは、福岡ソフトバンク、読売巨人などの親会社が資金力のある球団だけだが、果たして今の阪神電鉄に日本一になった選手の高騰した年俸を払えるだろうか?でも、今の阪神電鉄はライバルの阪急電鉄と2006年に合併したし、阪神なんば線が出来て近鉄とも相互乗り入れをしているから、1985年に比べると資金力はかなりあると思う。それでも、日本一になった後は選手の年俸はかなりアップしてるので、選手とフロントとの対立が起こることが多い。

 

 

さて、今の日本一になった阪神タイガースの場合だが、果たして主力選手の年俸を親会社の阪神阪神HDは払えるだろうか?1985年の時と状況がかなり変わっているのは、今は2006年にライバル鉄道会社だった阪急電鉄と合併して、また、阪神なんば線が近鉄難波駅まで延びて近鉄電車と阪神電車が相互に乗り入れをするようになって、親会社の阪神電車も1985年に比べると随分と大きな会社に変わっている。

 

それに、1990年代の阪神暗黒時代では考えられないことだが、21世紀になってからは、日本ハムから片岡、広島から金本と新井、メジャー帰りの伊良部を補強というふうに、かなりの大型補強をしている。メジャー帰りの福留と西岡も取っているし、オリックスからFA宣言をした糸井と西勇輝も取っている。これだけFAとメジャー帰りの選手を補強できるということは、今の阪神のフロントにはかなりの資金力があるのだと思う。

 

それでも、やはり、日本一になった年は主力選手の年俸は2倍か3倍に高騰しているので、選手とフロントとの確執などもあるだろうから、阪神が来季もセリーグを連覇して再び日本一になれるかは不安である。