簡単にまとめると、ロシアは第二次大戦でナチスドイツに勝ったことを除けば何も残らないような国なので、プーチンは旧ソ連の栄光を失いたくないのである。
昨日、5月9日はロシアが第二次世界大戦(ロシアでは大祖国戦争という)に勝利した戦勝記念日だが、このロシアの戦勝記念日の軍事パレードには、2005年には日本の小泉首相とアメリカのブッシュ大統領夫妻も参加していて、プーチン大統領とパレードを見ながら談笑するという、今では信じられない光景が見られた。上がその写真。
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上の記事は「ロシアの戦勝記念日はどんな日なのか」というもので、ロシア人にとってはいかに2千万人以上の戦死者(戦死者だけでなくて、ナチスドイツ軍によって捕虜収容所で虐待されて死亡したロシア人、スターリンの恐怖政治によって粛清されたロシア人も含む)を出して勝利したので、戦後のソ連、ロシアから第二次大戦の勝利を引いたら何も残らないというほど、ロシア人にとっては5月9日は重要な日である。しかし、今のウクライナ戦争の失敗が国民に明らかになるに従い、昨日のロシアの戦勝記念日のパレードはかなり縮小されていた。
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こちらは「プーチンがロシアを旧ソ連に戻したい理由」という記事。プーチンは多くのロシア評論家の予想に反して、2022年2月末にウクライナ侵攻を開始した。ロシアに詳しい専門家、軍事評論家も2022年2月に、「最近、ロシア軍がウクライナ国境に集結して軍事演習をしいるが、まさかウクライナ侵攻はしないだろう」という楽観論の人たちが多かった。しかし、プーチンはやってはいけない戦争を始めてしまった。
なぜ、プーチンがロシアから旧ソ連の栄光を失わせたくないのかということが、上の記事を読めばわかる。簡単に言うとやはり、2千万人もの戦死者を出しながら勝利をした「大祖国戦争」の栄光を失うことを拒否しているからである。今では既にフィンランド、バルト3国がNATOに加盟してしまったので、ロシアから旧ソ連軍の栄光は失われて、米英軍を始めとする西側資本主義国にロシアも呑まれつつあるが、旧ソ連崩壊以降に生まれたか、旧ソ連崩壊の頃にまだ子供だったロシア人たちは、旧ソ連の栄光なんてどうでもいいので、やはり、ロシア軍は最終的にはウクライナ戦争で敗北するだろう。